絵本日記「1年365冊」

『てんぐのかくれみの』 | 言の葉のうつわ

『てんぐのかくれみの』

2025.03.08

まつたにみよこ 文  あさくらせつ 絵  偕成社 1968年

とんちのきく彦一のおなじみの民話です。

ある日、彦一はてんぐの持っているかくれみのを手に入れようと、太い竹の筒をかついで奥山に登って行った。

やまのてっぺんで彦一は竹の筒を目に当て、火事が見える、相撲見えると騒ぎ立てた。

するとてんぐがやって来て見せてくれと言う。これは「せんりみとおし」という宝物だから貸すことはならんと答えると、てんぐはかくれみのと取りかえてくれと頼んだ。彦一はもったいぶって取りかえると、山からとんでおりた。

彦一はかくれみののききめを試そうと町に行っていたずら三昧。とうとう殿様までだましてしまった。

こんなふうに彦一はいたずらをして喜んでくらしていたが、あるとき、おっかさんがかくれみのをみつけて、汚いからと燃やしてしまった。彦一は残った灰をかき集めて体にこすりつけ、姿を隠して町へ出かけて行った。

そして、酒盛りの宴に忍び込み、さんざんいたずらをした。だが、人々に追いかけられて、水たまりにばっしゃ―ん。手が出て、足も。

とうとう彦一はおおかわに飛び込んで助かったそうな。

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