2025.03.08
まつたにみよこ 文 あさくらせつ 絵 偕成社 1968年
とんちのきく彦一のおなじみの民話です。
ある日、彦一はてんぐの持っているかくれみのを手に入れようと、太い竹の筒をかついで奥山に登って行った。
やまのてっぺんで彦一は竹の筒を目に当て、火事が見える、相撲見えると騒ぎ立てた。
するとてんぐがやって来て見せてくれと言う。これは「せんりみとおし」という宝物だから貸すことはならんと答えると、てんぐはかくれみのと取りかえてくれと頼んだ。彦一はもったいぶって取りかえると、山からとんでおりた。
彦一はかくれみののききめを試そうと町に行っていたずら三昧。とうとう殿様までだましてしまった。
こんなふうに彦一はいたずらをして喜んでくらしていたが、あるとき、おっかさんがかくれみのをみつけて、汚いからと燃やしてしまった。彦一は残った灰をかき集めて体にこすりつけ、姿を隠して町へ出かけて行った。
そして、酒盛りの宴に忍び込み、さんざんいたずらをした。だが、人々に追いかけられて、水たまりにばっしゃ―ん。手が出て、足も。
とうとう彦一はおおかわに飛び込んで助かったそうな。