絵本日記「1年365冊」

『どうする ティリー?』 | 言の葉のうつわ

『どうする ティリー?』

2025.03.12

レオ・レオーニ  谷川俊太郎 訳  あすなろ書房 2002年

ねずみたちが暮らしているのは、「かべ」のある世界。あたりまえだったので、ねずみたちはかべの向こうなんてものがあるのかどうかさえ、気にしなかった。みんな、あれこれおしゃべりしたけれど、いちばん若いティリ―だけがかべをみつめ、むこうがわのことを考えた。

みんなを誘って登ろうとしたが、かべはどこまでも高かった。くぎで穴をあけるのも無理。端があるはずだと何時間も歩いてみたけれど、壁には終わりがなかった。

ある日、みみずが穴を掘っているのを見て、ティリ―は夢中になって穴を掘り始めた。土の中を進んでいき、突然まぶしい光に目がくらんだ。むこうがわに出たのだ。そして、むこうがわで出会ったのは、ふつうのねずみたち。みんなティリーを大歓迎してくれた。

その日から、ねずみたちはかべを自由にゆききするようになった。

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