絵本日記「1年365冊」

『あのねあのね』 | 言の葉のうつわ

『あのねあのね』

2025.03.14

内田麟太郎 文  山﨑おしるこ 絵  303BOOKS 2025年

雨にびっしょりぬれてふるえていたダンゴムシ。ありさんが葉っぱの傘を差しだしてくれた。うれしいけれど、言えないの。もじ もじ もじ もじ

おなかがぐうぐうなってカナブンが動けなかったとき、ありさんがペロペロキャンディを持ってきてくれた。お礼のことばが言えないの。もじ もじ もじ もじ

荷物が重くてテントウムシが坂道をのぼれなかったら、ありさんが手伝ってくれた。言いたいけれど、言えないの。もじ もじ もじ もじ

バッタが足をくじいいて動けないでいたら、ありさんが肩につかまらせてくれた。嬉しい気持ちが言えないの。もじ もじ もじ もじ

やさしい春風が吹くと、お花のつぼみがゆっくり開くように、みんなの心も、ことばの窓も開きます。

—ありさん ありがとう。

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