2025.03.14
内田麟太郎 文 山﨑おしるこ 絵 303BOOKS 2025年
雨にびっしょりぬれてふるえていたダンゴムシ。ありさんが葉っぱの傘を差しだしてくれた。うれしいけれど、言えないの。もじ もじ もじ もじ
おなかがぐうぐうなってカナブンが動けなかったとき、ありさんがペロペロキャンディを持ってきてくれた。お礼のことばが言えないの。もじ もじ もじ もじ
荷物が重くてテントウムシが坂道をのぼれなかったら、ありさんが手伝ってくれた。言いたいけれど、言えないの。もじ もじ もじ もじ
バッタが足をくじいいて動けないでいたら、ありさんが肩につかまらせてくれた。嬉しい気持ちが言えないの。もじ もじ もじ もじ
やさしい春風が吹くと、お花のつぼみがゆっくり開くように、みんなの心も、ことばの窓も開きます。
—ありさん ありがとう。