絵本日記「1年365冊」

『のはらのうた』 | 言の葉のうつわ

『のはらのうた』

2025.03.17

あまんきみこ 作  安井淡 絵  岩崎書店 1976年

小さいカヨはヒデリコの野原で真っ白いこいぬを拾いました。

おかあさんは、「こんなに かわいいのに すてられたのねえ」と言いました。

カヨは首を振って、空から落っこちたんだと答えました。

この子、くもいぬなの。かあさんぐもが しんぱいして おろおろしていたからね。あたし、すぐ      わかったの。

その日からカヨとシロはいっしょ。カヨはシロの歌を作り、いつも歌ってやりました。

ところが、春を過ぎたころから、カヨはぼんやりしていることが多くなり、あの歌も歌わなくなりました。そして、シロの首輪とくさりを買ってほしいとねだりました。

おかあさんが不思議の思ってたずねると、「だって、かえるって いいだしたの」

ある晴れた日のこと、野原でカヨが久しぶりにあの歌を歌っています。

そして、カヨはシロの首輪とくさりをはずしました。すると、銀色の階段が現れ、カヨは階段にシロを降ろしました。

シロはたちまち真っ白な風になったように、駆け上がっていきました。

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