絵本日記「1年365冊」

『あるひくじらがやってきた』 | 言の葉のうつわ

『あるひくじらがやってきた』

2025.03.29

ニック・ブランド 作  なかがわちひろ 訳  小学館 2022年

ある日、海からあがったくじらが歩いて町までやって来ました。

こどもたちはおおはしゃぎ、おとなたちはおおあわて。

シロナガスクジラ、シャチ、シロイルカ、イッカク・・・いろいろな種類のくじらたちがあちこちに。

そのうち、人々をこまらせることが増えていきました。

魚の骨がいっぱい散らばって、道路はひびわれ、小麦畑はくじらの餌を育てる池になって、町の人たちはパンを食べられなくなりました。

とうとう、くじらたちを追い出そうとおとなが騒ぎ始めたとき、ひとりの女の子が言いました。

「ちゃんと はなしを きいて みようよ」

くじらが町にやってきたわけは、海がゴミでいっぱいになってしまったからだとわかりました。

町の人たちは海にもぐって、プラスチックやビニールのごみをひとつ残らず引き上げました。

くじらたちは喜んで、海に帰っていきました。

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