2025.03.29
ニック・ブランド 作 なかがわちひろ 訳 小学館 2022年
ある日、海からあがったくじらが歩いて町までやって来ました。
こどもたちはおおはしゃぎ、おとなたちはおおあわて。
シロナガスクジラ、シャチ、シロイルカ、イッカク・・・いろいろな種類のくじらたちがあちこちに。
そのうち、人々をこまらせることが増えていきました。
魚の骨がいっぱい散らばって、道路はひびわれ、小麦畑はくじらの餌を育てる池になって、町の人たちはパンを食べられなくなりました。
とうとう、くじらたちを追い出そうとおとなが騒ぎ始めたとき、ひとりの女の子が言いました。
「ちゃんと はなしを きいて みようよ」
くじらが町にやってきたわけは、海がゴミでいっぱいになってしまったからだとわかりました。
町の人たちは海にもぐって、プラスチックやビニールのごみをひとつ残らず引き上げました。
くじらたちは喜んで、海に帰っていきました。