絵本日記「1年365冊」

『おばあちゃんのちょうちょ』 | 言の葉のうつわ

『おばあちゃんのちょうちょ』

2025.04.20

バーバラ・M・ヨース 文  ジゼル・ポター 絵  ふくもとゆきこ 訳  BL出版 2006年

オオカバマダラチョウはメキシコの山で冬を過ごし、イースターの頃に大移動が始まり、北へと向かいます。移動をしながら、卵―幼虫―チョウという周期をくり返し、5代目のチョウがメキシコに戻ってくるのだそうです。

メキシコでは、なくなった家族のたましいをチョウが運んでくると信じられています。

おばあちゃんが亡くなったのは、ちょうちょが飛び立っていった日のことだった。

おばあちゃんはわたしのいちばんの仲良しだった。おばあちゃんといっしょにトルティーヤを作った。こわい夜はおばあちゃんがそばいてくれた。ちょうちょが飛んでくる森のマジック・サークルで座ってじっとして、ちょうちょを見るのは私たちの楽しみだった。

おばあちゃんはだんだん元気が無くなり、旅立ってしまった。

「だれかをあいしているかぎり、その人はずっと心の中にいるんだよ。どこにもいかないんだ」とパパが言った。

季節は過ぎて、秋に。死者のお祭りの日、祭壇を作り、お供えをした。

翌朝、墓地に行ったとき、ちょうちょが飛んできた。おばあちゃんの歌声がきこえる。

『おばあちゃんのちょうちょ』 | 言の葉のうつわ 『おばあちゃんのちょうちょ』 | 言の葉のうつわ

お問い合わせ

講演依頼や読み聞かせなど
お気軽にお問い合わせください