絵本日記「1年365冊」

『しゃぼんだまのうらがえし』 | 言の葉のうつわ

『しゃぼんだまのうらがえし』

2025.05.11

よこたみのる  福武書店 1983年

小さい国に、鼻ののびる王さまがいました。王さまはハートが大好きです。

王さまの国では春になると国じゅうでしゃぼんだまを吹くのです。今年もその季節がやって来ました。おまつりの最後の日には王さまが特別にしゃぼんだまを吹くことになっているんですよ。

広場では子どもたちがまあるいしゃぼんだまを吹いています。ところが、王さまの吹くしゃぼんだまはハートなのです。

王さまはみんなのようにまあるいしゃぼんだまが吹きたくて練習しますが、さんかく、しかく、おほしさま、へび、ドーナツ、ぞうさんと、変わった形のしゃぼんだまばかりができます。ある夜、窓の外にはまあるいお月さまが浮かんでいました。すると、王さまのストローの先からもまあるくふくらんだしゃぼんだまが出て、お月さまと重なっています。

すっかりごきげんになった王さまは、こんどは鼻を使ってしゃぼんだまを作り、こんどはそれを裏返しにしてみようと思い立ちました。王さまは鼻を上手に使って、しゃぼんだまを裏返しにしました。

おまつり最後の日、王さまは世界一大きなしゃぼんだまに挑戦。王さまは鼻を輪にしてプールのせっけん液につけました。そうして、輪にした鼻を力いっぱい振り回すと・・・世界一大きなしゃぼんだまができました。それから、しゃぼんだまの裏返しをしてみせると鼻をさしこんだとき、王さまはあっという間にしゃぼんだまの中に吸い込まれて空高くのぼっていきました。

王さまはどこまでとんでいったのでしょう?

・・・おうさまは いつ かえって くるのかな。

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