2025.05.13
渡辺節子 作 二俣英五郎 絵 ほるぷ出版 1992年
東北に伝わる民話が元になっています。
ある村で、ほかの作物は育たないのに、一つの大根だけが芽を出してすくすく育ち、見上げるほどの大きさになった。
村の人たちはせっせと肥料をやって世話をした。大根は葉をしげらせ、冬の大雪や嵐を防いでくれた。
ところが村人たちは巨大なだいこんどのの世話をするのがだんだん面倒くさくなってきた。
そして、とうとう、だいこんどのにどこかへ行ってほしいと告げた。
だいこんどのはしょんぼりと村を出て行った。
村を守ってくれていただいこんの大きな葉っぱが無くなって、吹雪を防ぐことができなくなった。
だいこんどのの偉大さに、いなくなって初めて気がついた村人たちだった。