2025.06.01
フェリーダ・ウルフハリエット・メイ・サヴィッツ 作 エレナ・オドリオゾーラ 絵 さくまゆみこ 訳
光村教育図書 2008年
村の子どもたちは、ザラおばあちゃんのお家でおはなしのもうふに腰をおろして、おばあちゃんのおはなしを聞くのがだいすきでした。
ある日、ザラおばあちゃんはニコライのくつしたに穴が開いているのに気がつきました。みんなが帰った後、ザラおばあちゃんはすてきなくつしたを編んであげようと思いましたが、その冬は雪が深くて毛糸屋さんが来てくれません。
どうやったらくつしたが編めるのでしょう?
「どんな ばあいでも、さがせば こたえが みつかるものさ。ちょこっと かんがえて みようかね。」
ザラおばあちゃんの頭にとてもいい考えが浮かびました。その夜、ザラおばあちゃんはニコライの家の戸口に、編んだばかりのくつしたを置きました。
しばらくたったある朝、郵便屋さんのかばんにはマフラーが巻いてありました。
校長先生にはあたたかいてぶくろが。八百屋のおかみさんには新しいショール。
おはなしのもうふはだんだん小さくなっていき、子どもたちは体を寄せ合っておはなしを聞くようになりました。
赤ちゃんのオルガにはふわふわのおくるみ。肉屋さんにはおしゃれな帽子。みんなにプレゼントをくれるのは誰なのでしょう。
とうとうおはなしのもうふは消えてしましました。
なぞのプレゼントをくれるのはだれなのか、村人たちは知りたくなりました。
みんなでもらったプレゼントを見せ合って、「どれも これも 『おはなしのもうふ』に よく にているね。」と子どもたちが声をあげました。ザラおばあちゃんはもうふをほどいてみんなをあったかくしてくれていたのです。
「こんどは こっちが びっくりさせる ばんだぞ!」
翌朝、ドアを開けたザラおばあちゃんは、たくさんの毛糸が置いてあるのにびっくり!
次のおはなしかいのときには新しいおはなしのもうふが敷いてありました。
そして、ザラおばあちゃんはアレクサンドルのセーターに穴が開いているのに気がつき・・・・・・