絵本日記「1年365冊」

『こうえんのかみさま』 | 言の葉のうつわ

『こうえんのかみさま』

2025.06.14

すぎはらともこ 作・絵 徳間書店 2009年

まあはおとなりのけんちゃんが大好き。でも、なかなか遊んでもらえません。今日もけんちゃんは自転車で虫取りに行ってしまいました。

まあは丘の上のこうえんにやって来て、ひとりで虫取りに兆戦しますが、ちっともうまくいきません。

大きなとんぼをみつけました。あのとんぼならけんちゃんもきっとびっくりするにきまっています。そっとそーっとちかづいて・・・・・・えいっ!

成功です。まあはむしかごにとんぼをいれましたが、なんと、小さいおじさんもいます。

「わしは おじさんじゃない、こうえんさまじゃ!いますぐ、ここから だせーっ!」

「やーだよ、はじめて まあ ひとりで とんぼ、とったんだもん。こうえんさまなんて、しらないもん」

「かわいそうな わしー。こんな いじわるな こに つかまってえ。うえーん おえーん」

こうえんさまは泣き出しました。「わしが いなくなると、こうえんは、やがて はなも きも かれて、むしも とりも、いなくなって しまうんじゃあ」

まあがかごを開けると、こうえんさまはとんぼにのって飛んでいきました。

次の日、まあはけんちゃんをこうえんに連れていきました。「まあちゃん、いいもの みせるって、なに?」

まあは叫びました。「こうえんさまー」

すると無数のとんぼたちが頭上に現れ、けんちゃんはびっくりして、口もきけません。

それから、まあは、けんちゃんの仲間に入れてもらえるようになりましたよ。

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