絵本日記「1年365冊」

『せかい一わるいかいじゅう』 | 言の葉のうつわ

『せかい一わるいかいじゅう』

2025.06.24

ハット・ハッチンス 作   乾 侑美子 訳  偕成社 1990年

弟や妹が生まれると、上の子は嬉しいような、寂しいような、パパやママをとられてしまったかのような、でもお兄ちゃんお姉ちゃんとして頼りにされてこそばゆいような・・・いろいろな感情でいっぱいになるものです。

ハッチンスはそんな子どもの気持ちを、素敵な絵本に仕上げました。

かいじゅうヘイゼルのおうちにビリーが生まれました。おじいちゃんとおばあちゃんが赤ちゃんを見に来ました。おとうさんもおかあさんも、ビリーがせかい一わるいかいじゅうになると期待しています。

「そんなことない。せかい一わるい かいじゅうに なるのは、わたしだもん。」ヘイゼルはつぶやきます。

ビリーは「せかい一わるい あかちゃんかいじゅう コンクール」に出て、優勝もしました。おとなたちは大喜び。

ヘイゼルはビリーを遠いところに置いてきました。でも、なんどやっても、ビリーは帰ってきます。とうとうビリーをよその人にあげてしましました。

おとうさんとおかあさんはビリーをさがして、ヘイゼルに聞きました。「ビリーは どこ?」

あげちゃったと答えると、おとうさんは「なんだって!じぶんの おとうとを、よそのひとに あげちゃったんだって?おまえは、せかい一わるい かいじゅうだ!」

「だから、わたし そう いったでしょ。」

でもね、ビリーはあんまりわるいので、お家に帰されていたのですよ。

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