2025.06.24
ハット・ハッチンス 作 乾 侑美子 訳 偕成社 1990年
弟や妹が生まれると、上の子は嬉しいような、寂しいような、パパやママをとられてしまったかのような、でもお兄ちゃんお姉ちゃんとして頼りにされてこそばゆいような・・・いろいろな感情でいっぱいになるものです。
ハッチンスはそんな子どもの気持ちを、素敵な絵本に仕上げました。
かいじゅうヘイゼルのおうちにビリーが生まれました。おじいちゃんとおばあちゃんが赤ちゃんを見に来ました。おとうさんもおかあさんも、ビリーがせかい一わるいかいじゅうになると期待しています。
「そんなことない。せかい一わるい かいじゅうに なるのは、わたしだもん。」ヘイゼルはつぶやきます。
ビリーは「せかい一わるい あかちゃんかいじゅう コンクール」に出て、優勝もしました。おとなたちは大喜び。
ヘイゼルはビリーを遠いところに置いてきました。でも、なんどやっても、ビリーは帰ってきます。とうとうビリーをよその人にあげてしましました。
おとうさんとおかあさんはビリーをさがして、ヘイゼルに聞きました。「ビリーは どこ?」
あげちゃったと答えると、おとうさんは「なんだって!じぶんの おとうとを、よそのひとに あげちゃったんだって?おまえは、せかい一わるい かいじゅうだ!」
「だから、わたし そう いったでしょ。」
でもね、ビリーはあんまりわるいので、お家に帰されていたのですよ。