2025.07.07
五味太郎 岩崎書店 1978年
のんびりと飛んでいた渡り鳥が「くじらだあ!」と、大きな声で叫んだ。
誰もくじらなんて知らない、見たこともない。ここはみずうみ。
ひとりのおじさんが家に帰って本を持って走ってきて、これがくじらだとみんなに見せた。
みんなはくじらを捕まえるために船で出て行った。
みずうみの中の島に登ったり、入り江のほうに行ってみたけれど、いない。潜ってもみつからない。
みんなは怒って引き上げていった。鳥はうそつきにされた。
でもね・・・みずうみ全体がくじらの形をしていたんだ。