絵本日記「1年365冊」

『ぼくのおじいちゃん』 | 言の葉のうつわ

『ぼくのおじいちゃん』

2025.08.09

ほしきいわく  小学館スクエア 2024年

おじいちゃんは90才。おじいちゃんが生まれたとき、日本は中国に攻め込んでいました。そして、満州国を作りました。

昭和9年の室戸台風のころは2才。おかあさんの背中に負われて、大人の腰下まで浸かった部屋の中で泣いていました。

小学3年の12月8日に日本はアメリカのハワイを爆撃しました。小学校は国民学校となり、日本は世界一優れた国だと教わりました。戦争のために「一億一心」「滅私奉公」が標語となり、「ぜいたくは敵だ」と言われました。子どもたちには「欲しがりません勝つまでは」をいうスローガンがおしつけられました。

おじいちゃんは疎開をして田舎で暮らし始めました。慣れない暮らしに苦労がありました。

1944年近くになると戦況が変わり始め、日本は各地で敗れます。

空襲でおじいちゃんの家は焼かれました。そのころ女学生だったおばあはんは裸足で火のなかを逃げたそうです。

8月6日広島に、9日には長崎に原爆が投下され、15日に日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏しました。

戦後はいろいろなことが変わりました。インフレの苦しい生活でみんなお腹がペコペコでした。

ぼくのおじいちゃんの人生をとおして、戦争の時代、人々はいかに悲惨な生活を送ったのかが描かれています。

きっと、おじいちゃんの願いは、「ぼく」がこれからもずっと平和な日々を過ごしてほしいということではないでしょうか。おじいちゃんのような思いを子どもたちにはさせたくない。「戦後」が100年、200年、永久に続いていきますように。

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