2025.08.23
立原えりか 文 永田萌 絵 講談社 2014年
立原えりかさんがお亡くなりになったというニュースが少し前にありました。
大好きな、(今風の若者言葉で言えば)大好きすぎる作家さんでした。朗読公演で作品を読ませていただいたり、朗読教室のテキストとさせてただいたり・・・。これからも、愛に満ちた作品を大切に味わわせていただこうと思います。立原さん、ありがとうございます。
花づくりが好きな男の子がいました。あるとき、花束をかかえた女の子が現れ、これを10日の間預かってほしいと言って姿を消しました。
花はしおれていきます。3日たったころ、男の子は「あの子はがっかりするだろうな」と女の子を慮りました。すると、花は生き生きとし始めました。少女を思う気持ちが花を育て、とうとう9日目にはばらいろのもりになったのです。10日たって再び現れた女の子は「あなたならできると思ったわ」と言いました。
いつの日か二人は、「だいすきな ひとを おもうたびに おおきく うつくしく そだつ はなを つくっています」という看板をばらいろのもりの入り口に立てたのです。