2025.12.08
長谷川義史 絵本館 2006年
あるひのゆうがた、かみなりがゴロゴロなって、ドーン。
気がついたら、かみなりの親子が目の前に座っていた。
おじいちゃんがいった。「いいから、いいから。せっかくきてくださったんじゃ。ゆっくりしてください。」ぼくも「ごゆっくり、ごゆっくり。」といった。
かみなりの親子はおかあさんのつくったご飯をもうしわけなさそうに食べ、おじいちゃんとぼくといっしょにお風呂に入った。
お風呂から出ると、親子は逃げるように帰っていった。
次の日、おじいちゃんとぼくのおへそがなくなっていた。このままでは、プールにも行けない。
郵便屋さんが手紙を届けてくれた。かみなりの親子からだった。なかにはお詫びの手紙と、おへそが二つ入っていた。
おじいちゃんがぼくにていねいにおへそをつけてくれた。ぼくもおじいちゃんにおへそをつけてあげようとして、うっかりおでこにおへそをつけちゃった。
でも、おじいちゃんはいった。「いいから、いいから。」
