絵本日記「1年365冊」

『サンタクロースとちいさな木』 | 言の葉のうつわ

『サンタクロースとちいさな木』

2025.12.16

エアーダイブ 作・絵  Dybooks 2009年

とっても弱った小さな木を、サンタさんがプレゼントを配った帰り道にみつけました。

サンタさんは腰の袋に木を入れて連れて帰りました。それからは、サンタさんと木はいつも一緒。サンタさんは「きみはいずれきっとおおきなきになる」と木の成長をとっても楽しみにしています。

やがて小さな木はサンタさんのそりからはみでるくらい大きくなりました。

あるとき、そりは嵐にあい、木は広い海の真ん中の島にまっさかさまに落ちました。

木は弱り切っていきましたが、気がつくと木の根元に弱った小さな花が咲いていました。木はお花を守り続けました。サンタさんの言葉を思い出しながら。

やがて、花は元気になり、虫も集まって来て、花畑ができました。いつしか、荒れ果てていた島は、緑がいっぱいの素敵な島になったのです。

クリスマスの日、生き物たちはサンタさんのプレゼントを楽しみにしています。木は自分もサンタさんのように、みんなを喜ばせてあげたいと思いました。すると、木が金色に輝き始め、枝いっぱいにあふれるほどのプレゼントが。生き物たちは大喜びです。そこに、鈴の音を響かせて、サンタさんのそりが降りてきました。サンタさんと木はぎゅっと抱き合いました。

この島がすっかり気に入ったサンタさんは、木の根元で暮らすようになり、ここは「サンタクロースとう」と呼ばれるようになったのです。

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