絵本日記「1年365冊」

『わたししんじてるの』 | 言の葉のうつわ

『わたししんじてるの』

2025.12.19

宮西達也 作・絵  ポプラ社 2011年

むかしむかしおおむかし、あるところにトリケラトプスの親子がいました。

ある日、赤い実を取りに行って、地震に巻き込まれ、おとうさんとおかあさんは洞穴に閉じ込められてしまいました。子どものリケラは洞穴の入り口をふさいだ岩を砕いてくれるひとを探しました。誰がやってもダメでした。

リケラは恐ろしいティラノサウルス所に行き、洞穴の大きな岩をどけてくれたら、私を食べていいと伝えます。

ティラノサウルスは何度も岩に体当たりをしますが、岩はびくともしません。

それでも、ふたりは体当たりを続けました。ティラノサウルスの頭から血が出ているのを見たリケラはけがを治してくれるという赤い実を塗りました。そのとき、ティラノサウルスめがけて石が飛んできて、リケラはティラノサウルスをかばって石に当たってしまいました。

ティラノサウルスがリケラを抱きかかえると、恐竜たちが出てきて、悪いティラノサウルスは帰れ!と叫んでいます。

リケラは「このおじさんは、そんなひとじゃない。わたし、しんじてるの」と言いました。みんなはあきれて去っていきました。

次の日からも、ティラノサウルスは岩にぶつかりました。最後の力をふりしぼって頭を打ちつけたとき、岩がこなごなに砕けました。「さ、さあ、はやく、おまえのおとうさんとおかあさんのところへいってやれ。お、おれはのどがかわいた。かわでみずをのんでくる。」

その日から、リケラがティラノサウルスをみることはありませんでした。

『わたししんじてるの』 | 言の葉のうつわ 『わたししんじてるの』 | 言の葉のうつわ

お問い合わせ

講演依頼や読み聞かせなど
お気軽にお問い合わせください