2025.12.22
イワン・ガンチェフ 作 もぎかずこ 訳 DEMPA/ペンタン 1993年
エレンとおかあさんは、おじいちゃんとおばあちゃんを訪ねました。クリスマスの二日前のことです。おじいちゃんとおばあちゃんは大きなお屋敷の管理小屋に住んでいます。
エレンはその晩、ベッドのなかで「おやすみ、クマちゃん。クリスマスのあさ、あなたに会えたらいいな。」とつぶやきました。
次の朝、おじいちゃんは町に砂糖を買いに行くことになりました。おかあさんが、エレンにクマのぬいぐるみを買ってきてほしいと頼みます。
遠い町でおじいちゃんはお買い物をすませ、クマのぬいぐるみも買い、赤い帽子もかぶせてやりました。帰り道、雪が降り始め、とうとう吹雪になりました。おじいちゃんは道がわからなくなってしまいました。
おじいちゃんが帰ってこないので、みんなが心配して探しています。
エレンは教会の塔にのぼり、鐘を打ち続けます。鐘の音を聞けば、おじいちゃんがどっちにいけばいいのかわかるはずです。
雪はどんどん降り積もります。すると、ランプの明かりが赤いものを照らし出しました。クマの帽子です。みんなはおじいちゃんを抱きかかえると、教会の鐘の音をたよりに引き上げました。
おじいちゃんもエレンも冷え切った体をベッドの中で暖めました。
翌日はクリスマス。クマのぬいぐるみはそのときを待ちわびています。
