2026.02.13
松田もとこ 文 菅野由貴子 絵 文研出版 2023年
わたしが小さかったころ、おばあちゃんはいちばんのともだちでした。おばあちゃんのひざで本を読んでもらいました。散歩も好きでした。空をみあげると、おじいちゃんのさいごのことばを思い出します。「いつも みているよ」
お天気の良い日曜日、少し遠くまで行ってみることにしました。川に沿ってのぼっていきながら、おばあちゃんは釣りが好きだったおじいちゃんのことをたくさん話してくれました。
おばあちゃんはときどきおじいちゃんの部屋で過ごすようになり、だんだん外に出なくなりました。「いきるの、あきたー」と、ぼそっと言うこともあります。
そんなとき、わたしはおばあちゃんをひっぱっていって、おじいちゃんの部屋でひみつのおまけを探します。みつかったおまけには、おばあちゃんにしか見えない景色が広がるようです。
寝ている日が多くなったおばあちゃんは、ある日、さよならも言わないで、天にのぼっていきました。
わたしは大きくなり、ひとりで散歩に出かけます。おばあちゃんの声がきこえてきます。「だれでも ひとつ。ひみつの おまけを もっているんだよ」
