2026.04.19
清水真裕 文 青山友美 絵 童心社 2011年
転校生のたかこがやって来た。十二単を着て、扇で顔を隠している。髪もものすごく長い。
たかこはぼくの隣の席に座った。ぼくが「よろしく」というと、たかこは「こころやすくならむ」と言った。
たかこは墨をすって筆で書く。音楽の時間は、リコーダーのかわりにびわを鳴らした。
たかこはとっても勉強ができたが、テストでほかの子に負けた日は一日中ふきげんだった。たかこの着物の裾を踏む遊びもはやった。
学級遠足の日、みんなで野原に行った。お昼過ぎになって黒い雲が空に広がった。かみなりも鳴りだした。大粒のひょうまで降り始めた。でも、かみなりが鳴っているので、傘をさしちゃだめだ。
そのとき、たかこが着物をぱっと広げた。「わが うはぎを つかひたまえ」 みんなはたかこの色とりどりの着物の下に避難し、かみなりが遠ざかるのを待った。やがて雨がやんで、日の光がさしてきた。ぬれたたかこの着物は学校に持って帰って干した。
まるで清少納言!こんなクラスメートがいたら、楽しいだろうなと思いませんか。
