2022.12.09
新美南吉 作 黒井健 絵 偕成社 1988年
はじめて雪を見た子どもの狐はあまりのまぶしさにびっくりしながら、雪の中をころがり回ります。洞穴に帰ってきて「お手々がちんちんする」訴える子狐の手をあたためてやりながら、母さん狐は夜になったら町まで行って子ども用の手ぶくろを買ってやろうと思います。でも、お母さん狐は以前町で怖い目にあったことがあり、とうとう子狐を一人で町まで行かせることに。
人間の優しさにふれた子狐の「人間ってちっとも怖くないや」という言葉に、お母さん狐はつぶやきます。「ほんとうに人間はいいものかしら。」
この作品は何度も舞台で朗読してきました。どれだけ練習しても、お母さん狐の最後のせりふが難しくて、ずっと答えを探しています。